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合だと大体2週間くらい前、グリケイテッドアルブミンでも大体2週間くらいのところを教えてくれる。それはなぜかというと、アルブミンの半減期、あるいは血清蛋白全体の半減期が赤血球の寿命よりもずっと短いということがあるから、その寿命に相当する期間の血糖値を反映してくれる検査ということになるわけです。1.5-AGという成分は血中に一定量存在しているのですが、尿糖が排泄されるとこの成分は減ります。そのことを利用して血糖マーカーとしての検査ができることになったのです。その日あるいは少なくとも1日前くらいの血糖値と連動しているのがこの1.5−AGという検査で、尿糖も測ったその日の一定の時間の血糖レベルを教えてくれる検査ですが、これに対して同じときに測ったHbAlcは、過去1〜2ヵ月間の血糖の平均的な高さを教えてくれる。そういう意味で非常に安定した情報が得られる検査だといえます。
糖尿病を診断するためのスクリーニングとしては、空腹時の血糖値をまず見てもらう。これが一番的確なやり方です。
もし、どうしても空腹時血糖が見られない場合は随時の血糖値で見るわけですが、その両者で得られた成績の中で、異常なしともあるいは要医療とも判定し得なかった場合にはHbAlcを調べる。この血糖とHbAlcの組み合わせによって、異常なし、要指導、要医療の区別が明快に行えるようになったのです。
個々の症例はこのデータを踏まえ、とくに要指導とされたものについては特別な配慮のもとで本当の意味でのケアの必要な症例を拾い上げていかなければなりません。

 

 

 

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